楽さの正体は、好意ではなく、要求の不在だ。

焼いた肉を、元彼が私の皿に入れる。
深夜の焼肉屋。四人で集まった席で、会うのは1年ぶりだった。

意外と普通だった。身構えないまま、箸を出した。

1年、会わなかった

別れてからの1年は、忙しかった。
気持ちは少しずつ薄れていった。

それでも、どうしてるのかな、と思う時はあった。
知り合いと話していて、彼の話題になったこともあった。

薄れたけれど、消えたわけではない。

きっかけは仕事の連絡だった。
少しだけ話をしていたイベントの募集には誰も来なかった、と結果を話したら、今焼肉にいるけど来る? と返ってきた。

楽だった理由を分解する

たわいのない近況報告が続いた。
そのあと、二人でも話した。
1年ぶりなのに、話のディテールはすぐにわかる。それなりに長い時間、一緒にいたから。

なんか、楽だった。

これは相手が変わったからではない。
好かれたい。大切にされたい。一番に思ってほしい。
その三つを、私はもう持っていなかった。

持っていた頃は、頑張りすぎて、自分を見失っていた。
楽さの正体は、好意ではなく、要求の不在だった。

幸せであってほしい

お互いに思っていても、一緒になれないことがある。
人としては素晴らしいと思っても、パートナーとしては違った。そう思うことも、あった。

どちらにせよ、私と関わってくれた人には、幸せであってほしい。

吹っ切るまで、1年。
過ぎてみれば、あっという間だった。
1年で足りたのはこの相手だっただけで、次も同じ長さとは限らない。


かの。50代。チワプーのシェリと暮らし、海のそばへの移住を計画中。
About Me

もう少し長く考えていることは、note にあります。
かの|55歳、海のそばへ移住するまでの記録